参加させていただいた にいがた産業創造機構様の「Design LAB スタート記念 NICOデザインフォーラム」村田智昭氏の講演内容がとても興味深かったので自分自身の分析整理と備忘録を兼て。

これからの売り手、商品に必要なものは何か。
それは『商品以上の価値』

今までは機能と価格を比較して購入していました。
しかし商品の質は上がり(商品成熟度)、普通に使う分には「標準」の商品で事足りるようになりました。

そんな中で、どうやって自社の商品を購入してもらうには何が必要か?それ以上の付加価値(感性価値/バックグラウンド) を理解してもらうことで購入につなげるよう、情報を発信します。販売促進ではなくブランディングの確立を目指すのが効果的であると考えます→ブランディングの基礎の【き】

しかし、ブランディングは受け手によっては0(むしろマイナス)にも100にもなり得るとてもデリケートなものだと感じています。例えば、車に全く興味のない若い女の子にスーパーカーの魅力を伝えようとしてもなかなか難しい。むしろ迷惑。

これだけライフスタイルが多様化した中で万人に受けるモノをつくることは不可能です。購入してもらうためには、その人の「感性」に訴えることが必要だと。

じゃあ、感性って何?

広辞苑によると『 感覚によってよび起こされ、それに支配される体験内容。従って、感覚に伴う感情や衝動・欲望をも含む。 』

6つの感性価値
これに訴えかけることができれば、購入につながる

概念的にとらえていた「感性(センス)」を理論立てしてのお話がとても興味深く、感性とは備わっているのもではなく、個人の経験、体験、背景様々なものが合わさって個別に備わっているものなのだと思いました。
感性ポテンシャル=感性の持っているの能力、潜在的な力

感性(=センス)が高いと言えるのは
①センサーのように物事をとらえ
②自分自身のフィルターで味わい
③自分なりのフィードバックを行う

背景感性価値...そのものの時代背景や作られてた背景、 エピソードなど
創造感性価値...新しい技術への驚き、
感覚感性価値...直感的に良いと思った感覚、五感ベース
技術感性価値 ...技術に対する感動
文化感性価値 ...そのものの文化性(サブカルや伝統文化など)
啓発感性価値...社会貢献、啓発活動に取り組んでいる商品であること

しかしながら、前回の「自分で選び、判断できなくなった私たち」
でもご紹介した通り、私たちは多すぎる情報の中で自分自身の価値観の確立が難しくなってきているのではないでしょうか

直接感性→自らの感性(見立て)
間接感性 →他人の意見(口コミ、レビュー)

受け取った感性情報をフィルタリングで処理(自分に必要のない、良いと思わなかったものは排除する)
しかし、自分のフィルターで排除しても友人が又は社会がそれを推し始めると直接感性は間接感性に上書きされる。 流れに遅れないようにと最新の知っておくべき情報、何が流行っていて、何を持っていれば安心で、次にはどんなものが流行になるのか。

人・モノ・コト・場 が持つ潜在的な共感力

便利な世の中になった以上、前の生活には戻れません。ではこれからは何を求められるのか。ユーザーが何を求めるのかは重要です。その一つに「共感」ですがあると思います。

多様化しているとはいっても衣食住、生活する中で何の興味も持たない人はいないと思います。私自身、生活で最低限必要なものは最小限のコストで済ませます。ただ、自身の興味のあるモノ、コトには多少のお金と時間をかけます。それが楽しいからです。私なりの価値観の元、自分自身で価値のあるモノだと感じたのもは購入に踏み切ります。上で書いた6つの感性価値にどれかに見合うもの(共感できるもの)であれば、人の心は動くのだと思います。

さて、 モノが売れなくなったと嘆いている今、何ができるか。 今まで作って売るだけの商品に付加価値(感性価値)を紐付する。知られていないエピソード(
背景感性価値 )を改めて紹介する。業界、地元では当然の話でも、一般の人、外の人は知らないかもしれない。それが 人を動かすきっかけになり、心動かすことに繋がるかもしれない。
例えばまだ知られていない技術( 創造感性価値 )を紹介する。別の分野の人の目に留まり、全く新しい商品が生まれるかもしれない。

ぼんやりとしか分からなかった『価値観のポテンシャル(潜在意識)』
これをもとにブランディングを行っていけば確実な成果が見込まれるのではないかと感じました。

残念ながら、村田さんのお話はお時間が足りず「感性価値感」までとなってしまい非常に残念でした。(続いて「購買行動4つのパターン」と表題さてたテキストがあったようで…非常に興味があります!)

ライフスタイルの変化、情報技術の急速な発達、多様化するサービス、変わる価値観、古い固定概念に固執することなく、時代とともに移り変わる様々なものに柔軟に対応し取り入れてゆくことこそ、これからのサービス提供の課題ではないかと考えました。