数年前までクラフト「作家」をしておりました。大したものなんて作ってないのに作家なんて自称するのが本当にお恥ずかしいのですが、どうもそんな風に言うらしいのです。

さて、もともと手先は器用な方で、何かとコマゴマ作るのは楽しい。世間的に「ハンドメイド」が盛んになってた頃で、
空いた時間でチマチマ作ったのもをフリーマーケットで販売していたら運よく「ハンドメイドセレクトショック」を開業予定の方にお声がけいただき、委託販売をするようになりました。

さて、いざ販売するとなるとノルマはないけど納品しなきゃ…なんて強迫観念に似た心象になってしまい、寝る間を惜しんでチクチクつくっておりました。フリマでは対面で販売できるので、なんか気軽な感じだったのですがお店に並ぶ「商品」となるとなかなか手を抜くことも出来ずに、変にプロ意識(?)なんて持ったりして、しかもなんだかいやらしい考えなんですが、「売れそうなもの」って考えになってしまうんですね。

手作りの流行を調べてしまうのです。でもね、皆さん考えていることは同じで、材料を仕入れるところもほぼ同じだからハンドメイドといっても似たり寄ったりなものが並ぶのです。しかし本人はオリジナリティと「作家」のプライドがあるから「一つだけの」というこだわりも個々にあるのです。

制作活動が「作りたいもの」から「売れそうなのも」を作っていると気づいたとき、私は活動をやめました。作るとこが楽しく無くなっていたし、楽しくないことに時間を費やすのはやめようと思いました。

好きなことを仕事にはしない方が良いとはいいますが、全くその通りで、楽しんでいたことが楽しめなくなってしまうんですね。それではせっかく自分が育んできたものが勿体ない。

しばらく作るモノから距離を置いて、また始めようかな、と思ったので前回の轍は踏まないように、備忘録。