今回ご紹介したいのは 「Stool60 Ystävä / スツール60ウスタヴァ」

アルテックでは説明不要の超定番中の定番、60スツール。

ウスタヴァとは何かといえば、
日本とフィンランドの外交関係樹立100周年なんそうでアルテックから特別なコレクションの スツール60を発売します。何が違うかといえばまず、お値段がちょっとお安めです。普通の60スツール(バーチ材)と比較して¥3,200お安いです。
あと、使っている材が違います。通常の60スツールはきれいな材を選んで使用していますが、今回はあえて選別することなく使用しています。つまり、バーチ材のフシなどが表に出てきてるんですね。
さらに座面の裏に桜の花のマークがついています。加えてノベルティで手拭いがついています。 追い打ちをかけるとなると、限定品です。全部売れてしまったら手に入りません。

さて、今回ご紹介には理由があります。
はっきり言って、60スツールの類似品はホムセンに行けば安価に売られています。 しかし、 大それたことを言うようですが、 私はコピーはコピーでしかないと考えています。60スツールだって「え、2万近くするの?」と思うのは人それぞれです。

モノを作り出すにはプロセスがあります。歴史もあります。関わった多くの人がいます。デザイナーがたくさんのスケッチの中から絞りに絞り込んで作り上げてきたのも、製作するうえでベストなものを選定し、世に出したもの、それがオリジナルだと考えています。

ですので、模倣して作っても同じに見えても同じではないのです。「コピーはオリジナルに勝てない」なんてカッコいいこと言うつもりはありませんが、大切なのはプロセスであり、そのバックグラウンドだと思っています。

今回、ウスタヴァにこだわったのは、このバックグラウンドに非常に惹かれたからです。誕生から80年を超えても売れつ続けているロングセラー。
ヴィンテージ家具なんかでも人気があり、きっとこれからも売れ続けるであろう特別なスツール。それを外交樹立100年の記念に「友達」なんて意味の照れくさいようなネーミングで発売しちゃうartek社。

いつかは買おうと思っていた60スツール。1脚買うとまたほしくなっちゃうのは目に見えており、ぬぬぬ...中々踏ん切りがつかなかったんです、 いつでも買いえるじゃない。しかし、今回は違います。特別仕様。限定。日本とフィンランド。 これは、これは手に入れるしかないじゃないか。一歩を踏み出すのに十分な材料はそろっている。

ということで、今回のウスタヴァスツール、通常のスツール60よりも見目は悪いかもしれない、類似品は売っている。でもね、やっぱりそんな背景のもと作られた本物の家具を一つ部屋に置くだけで、私の生活は一つ豊かになるのだと思うのです。生活の豊かさは人それぞれだと思いますが、私はひとつ、ひとつ、意味のあるものに囲まれて暮らしてゆくことが、私なりの「豊かな生活」なのだと考えています。