最近たまたまなのか、そういった時期に来ているのか何度か耳にする「 ノブレス・オブリージュ 」ということば。興味が出て色々調べてみるとなんだか面白い。現代の日本にはなじまないようなこの習慣が、これから先、当たり前になることを願って。

そもそもフランス語「 ノブレス・オブリージュ 」。元の意味は「貴族の義務」、 身分、社会的な地位の高いものはそれに応じた社会的責任を果たさなければならないという意味、のようです。とても欧米っぽい考え方という印象。
ヨーロッパ社会で貴族など高い身分の者にはそれに相応した重い責任・義務があるとする考え方。 アメリカではセレブが当然のようにチャリティを行っています。

記憶に新しいのは パリのノートルダム大聖堂の再建に向けて富裕層や企業、高級ブランド界の有力者などが相次ぎ支援を申し出たというニュース。例えばこれが日本を代表する建築物だったなら、同じように有力者からの寄付は集まったでしょうか。何となく、その人物もしくは企業によっては、宣伝効果、売名、何か裏が?と穿った考えをしてしまうのは私だけかしら?

色々な考え方があるとは思いますが、日本人の感覚として「武士は食わねど高楊枝」という精神論が根付いているようで「施し」「善意」などを素直に受け入れられないこじれたプライドがあるように感じます。ああそうか、簡単に言うと見栄っ張りということか。

私がこの耳慣れない言葉を初めて聞いたのは友人からでした。友人がライフワークとして行っているボランティア活動について、「これば自分なりのノブレス・オブリージュ 」だと。友人は知識と経験を持っています。自分の持っているものを次の世代に提供してゆくことは義務であると考えていると話していました。なるほど、そういった考え方があるのかと、目からうろこ。

では自分には何ができるか。お金もそんなにないし、知識もない。本来の
ノブレス・オブリージュの意とはかけ離れるかもしれませんが、持っているものを惜しむことなく提供する。お金、知識でなくても自分にできることを実行に移していければいいな。だって、明日は我が身。どうなるかわからない世の中です。そして、受ける側もそれを素直に享受し、供与できる状態になったときに他の誰かへ渡していければ世界は優しくなれるのかな、と考えたのでした。