SOHO( スモールオフィス・ホームオフィス )なんて横文字使っちゃいましたが、簡単に言うと個人事業主、小規模会社、在宅勤務、未だその定義はあいまいのようですが、中小企業よりももっと小さく仕事をしている人たちということでしょうか。

さて、私の知り合いには独立起業、お店を持った方が結構居ます。ただ実際どうなのかと聞けば、商売中々難しいと。

何でもネットで買える社会の中で、あえて実店舗で買うことの意義、集客について考えてみました。

1.ヒューマンウェアの提供

なぜお店から買うか?商品を買うだけならネットの方が断然便利です。

①お店で買う理由はその商品を実際に見たい、触りたいから。ネット上の写真だけでは質感、サイズ、細かい部分は分かりません。買い物に失敗したくない高価なものなら尚更。実店舗でモノだけ見てネットで買う、という人もいるでしょう。それも一つのやり方です。それはその人の価値観なので変えようがないから仕方ないのかな、と思います。

②詳しい情報を専門家に聞いてみたいから。 自分で調べただけではよくわからない。知識の提供。

③購入を検討しているものについて話したいから。(これはニッチなカテゴリのものを扱っているお店が特に)もちろん自分でも十分に調べつくしますし、良さも知ってる。だからこそ他にその分野で詳しい人と熱く語り合いたい、良さについて共有したい。

接客時間をいかに楽しい時間にして提供できるか。5段階評価で満足度5ならリピートの可能性は高いと思います。3~4なら希望在り、以下なら可能性は低いでしょう。

2.集客するために

2-1.お店(販売員)のファンになってもらう

自分と話の合う、趣味の合う店員さんがいれば店舗で買いますよね。例えば、私は行きつけの服屋がありました。店員さんと仲良くさせていただき、結構通っていたので趣味も分かってくださっていましたし、私が選ぶより私に似合う服を提案してくださいました。イマイチなものは遠回しに言ってくださいました。私の方も、 春物で 予算はこれくらいで、おススメ、何着か、なんて頼み方をしていました。
つまり、私はその店員さんを信頼していました。間違いのないものを提案してくれると。 つまり信頼からの購入に繋がっていた例です。

ここのお店に行けば何となく良いのもが見つかりそう、提案してもらえそう、というイメージを持ってもらう。

2-2.ターゲットを絞り込む

必要としている層はどこにいるのか。まずはお店の存在、行っているサービスを知ってもらうことが大前提。知ってもらうための方法。ネット、インスタ、紙媒体、フリーペーパー、イベント、扱っている商品に興味のある層がどこから情報を得ているのか、目にする媒体は何かをリサーチします。

例えばお花屋さん。客層は女性、年齢層は30~60代、目にする媒体は若者ならインスタ、FB、少し年齢が上がると紙媒体、フリーペーパーなどでしょうか。最近はやりの「マルシェ」などのイベントに参加するとお客様との直接の接点になりより近い関係を築くことができそうです。

2-3.新たな客層の獲得

2-3-1.今後見込みがありそうな客層の開拓。

今は興味を持たれなくても、ふとしたタイミングで興味が湧くこともあります。そのためはやはりお店の存在を知っておいてもらうことが必要と考えます。

例えば映画好きな私、好きな俳優の一人が「ユアン・マクレガー」→彼の主演した「人生はビギナーズ」がとてもよかった!→監督はマイク・ミルズ→監督が以前撮った映画を記録した写真集があるらしい→その写真家の一人「ライアン・マッギンレー」が東京で写真展をやるらしいよ→めちゃくちゃ良かった…→絵画も良いけど写真も良いな→万代島美術館でやる「ソール・ライター展」行ってみよう→特にヌード写真が良かった→f3(沼垂商店街の本屋さん)に行ってソールライターが撮ったヌードが多い写真集ください→他にもこんな写真集あるんですよ→店主とお話をしていて新たな分野への興味が広がりました。

店主とお話をしていると写真展のここが良かった、当時の時代背景、彼と同じ時代に活躍した人はこんな切り口で当時写真を撮っていて、視点が違いますね。などなどお話がとても楽しかった。これもヒューマンウェアの提供として、私に幸福な時間を提供してくれたということにつながり、また、店主のファンになったのです。アマゾンでポチッと買えば「買った」ということにしかなりません。

2-3-2. コラボ企画

片方の客さんがもう片方のお店を知ってもらいるチャンスでwin-winの関係になれそう、かな?
似た趣味を持つ人はきっとこういったモノも好きだろう。 例えば、天然素材系のナチュラルなもの、自然素材、オーガニック、無垢、、、その紐付が大変に難しいのですが。

2-4.情報を継続して発信し続ける

アクションを起こしても反応がイマイチな場合もあるでしょう。なぜ反応はないのか、その分析は必要です。ターゲットへの発信ツールが違っていたのか、タイミングが悪かったのか。発信方法を変えて再度同じ情報を発信してみても別の反応があるのかもしれません。また、お客様は今回は目にしただけでも、また別の機会に目についたとき、アクションを起こすかもしれません。発信しても大きな流れの中で新しい情報に埋もれていってしまいます。根気強く、コンスタントに継続することが重要と考えます。

3.売るためのプロセス

3-1 オリジナルの創作

始まりは人まねでもいいと思います。先人に学ぶことは大切なことです。しかし柳の下にはドジョウがわんさかいます。1つが流行ると波に乗って類似のものもそこそこ売れるでしょう。一度はその波に乗り知名度を広げるに効果的だと思います。しかしそこに留まっていれば流れは止ります。流行はミズモノです。(現代アートでさえミズモノと会田誠さんはどこかでおっしゃっていました)そこに留まっていればブームは去り何も残りません。流れがあるうちに次のものを考えます。私は、ここ(次に出すもの)が最も重要だと考えています。ちょっと注目されているうちに間髪入れずに新しいもの(自身のオリジナル)を出す。売れた良かった、と安心している暇はないのです。次も面白い企画用意しているよ、と期待をもたせましょう。

付け加えると、コンテンツが世間の多くが知るタイミングの時にはもう下火になっていると考えます。お客様より先に世の中の動きを取り入れ、逆にこちらから提案する要素に入れ込むことができれば売り上げにもつながります。

3-2 普遍的価値の商品を提供する場合

価値の変わらないものを提供する際に必要なのはとにかく知識と、それについての熱い想いです。にわかの知識だけではいけません。マニアになりましょう。
価値の変わらないものには歴史的流れがあり、背景があり、エピソードがあり、そんな一つ一つが「良い!」「ツボ!」と思うのです。「好きこそものの上手なれ」と申しますが、好きなものに対して人はさらに詳しい情報をどん欲に求め、扱いがうまくなります。そして同好の士を見つけると話は盛り上がり、距離は縮まります。お店で商品を扱う以上、購入していただくのが目的です。お客様より詳しい情報量で商品の良さを十分にお話し、会話を存分に楽しんでいただきご購入いただきましょう。

4.自身の価値を高める

4-1 良い相手と出会う

自分自身にとって良い出会い。縁ですね。友人、パートナー、尊敬する人、助言をくれる人、人生の先輩…何事も一人でできることは限られています。人との出会いは選択肢が広がります。周囲の人からの何気ない話や繋がり、出会いから、大きく事態が動くこともあり得ます。出会いの中ではプラスにならないこともあるでしょう。しかし失敗は糧として次回に活かせばよいのだと思います。

4-2 センスを磨く

センスは備わっているものではありません。育てるものです。とことん本物を見て、それの何が良いのか、何が人を惹きつけるのかを考えます。例えばアートだとして、なぜこれは名画といわれているのか。色が、構図が、モチーフが、何か良いのか。 スマホにアーティストの名前を入れて検索すれば代表作は見ることは出来ます。しかし画面が写すのは情報でしかありません。実物は違います。 本物を見てこそ、実物を手に取ってこそ自分の血となり肉となるのです。自分のセンスが良いとは言いきれませんが、何かがおかしいとき、アンバランスさがある時に、何かおかしいと気づくようになります。加えて、コンテンツを充実させるために文章力、撮影力、コピーなどの技術も必要となります。

4-3 心身ともに健康でいる

健康でいることが最も大切なことです。さらにメンタルヘルスも重要です。幸福度を高める努力が必要です。自分自身が楽しくなければお客様にも健全なヒューマンウェアを提供できまません。

5.まとめ!

お店で買うことの意義は「信頼」であると考えます。人から買うのは商品の値段以上の付加価値があるから。それは人はらもたらされるもの。そのために必要なのは自身が誠実で寛大で正直であるべきだと思います。真摯な対応こそが「信頼」に繋がると思います。ネット販売はこれからも伸びてゆくでしょう。しかしネットで提供できない「目に見えないもの」がこれからのSOHOに必要と考えました。