高山ウッドワークス

美しい家具には、物語がある。

高山ウッドワークス

岐阜県高山市発。気鋭の家具メーカー「高山ウッドワークス」の原点は、家具デザイナーの岩倉榮利(いわくらえいり)と熟練の木工職人との出会いでした。岩倉は、アルミやスチール、ガラスといった素材で、クールでモダンなデザインを主とする気鋭のデザイナー。ある企画をきっかけに、飛騨高山の家具をデザインすることになったとき、現地で出会ったのは定年間近の熟練木工職人たち。卓越した技を持ちながら現場を去る職人たちの実情を、岩倉は深刻に受け止めます。

岩倉は、職人たちを技術の伝道者として招き、その受け皿として木工に興味を持つ美術学校の若者を募ります。高山ウッドワークスの前身「クラハウス」は、技術継承と雇用の問題を解消し、高い品質と生産性を兼ね揃えた工房として1995年に誕生しました。

千年以上の歴史を持つ飛騨高山の匠の技と、モダンデザインの融合。天然無垢の温かな風合いと木の特質を最大限に生かした強靭さ、シンプルでありながら洗練されたフォルム、長く使うほど深まる風合い。その魅力、素晴らしさをトレドがお届けします。

生涯共に過ごす家具。

飛騨高山で一貫生産

高山ウッドワークスの職人は、材料の製材から、完成品の梱包までを一貫して行います。組み立てに用いるのは、1本の釘も使わずに木と木を組み合わせる「ちぎり」技法。木を知り尽くした熟練の職人技が創り出す美しく強靭な家具には、人の手で作った温もりがあります。

適材適所

高山ウッドワークス

高山ウッドワークスの特徴は、ウォールナット材(※1)とオーク材(※2)のマッチング。材料同士が引き立て合う、絶妙なコントラストが目を引きます。「笠木」や肘、座面には美しい木目のウォールナットを使い、背中を支えるスポークや全体を支える脚の部部には、硬いオーク材を使うなど、適材適所で材料を組み合わせ、デザインだけでなく耐久性や使い勝手まで配慮しています。

最良の材料と熟練の技

群を抜く美しさ。天板の鮮やかな木目は無垢材の最高品質「FASランク」の採用に裏付けされています。熟練の木取り職人が素材の組み合わせからバランスまでを目で確かめながら調整します。

伝統技法 曲木

椅子の一番上の部分「笠木は1本の木を曲げて作られます。この曲木の技法は飛騨家具の特徴。無垢材を圧力釜の中に入れて蒸気で蒸し、無垢材が柔らかくなったところで金物の型にはめて曲げていきます。削りだしと違って、木の繊維が通っているので強度が保たれ、木目も途中で切れず通っているので綺麗な木目でかつ頑丈に仕上げる事が可能になっています。

座グリの技

椅子の座り心地、その秘密は『座グリ』加工。座面の表面をお尻の形に削り取る加工の事で、ピッタリとフィットして長時間座っても痛みを感じることはありません。現地では、昭和30年代にウィンザーチェアをアメリカに輸出していた経験から高度な座グリ技術を習得しています。高精度の座グリ加工を行えるのは日本でも高山ウッドワークスを含め数社を数えるのみです。

10年後、30年後……

一つの部材から取り換えが可能です。10年経ったら次の10年へ。壊れたら買い替える、ではなく、修繕して長く、長く使う。「一生もの」という言葉がそのまま当てはまる家具です。

リ・デザインについて

ウィンザーチェアの例

ウィンザー城

かつてイギリス王の居城だったウィンザー城周辺には、優秀な挽物師や大工などの木工職人が住んでいました。17世紀後半、その“イギリスの匠”たちが、町家や農家で使う実用的な椅子として作り始めた椅子が、現在まで脈々と受け継がれるウィンザーチェアです。当初は地方の地主階級民の邸宅や食堂などで主に使用されていたようですが、やがて旅館やオフィスや中流階級の一般家庭にも浸透し、支持されるようになりました。移民と共にアメリカに渡った後は、簡素でありながら実用的な椅子として大流行しました。
KURA WINDSOR(クラ・ウィンザー)シリーズは、「リ・デザイン」という手法でつくり上げた現代の日本における新しいウィンザー・スタイルです。現代的かつ日本的な(パーツのモジュールやバランス、素材の扱い等の)編集作業を通じて独自の美しさを創り出します。新しい素材と斬新な形を追求しながら、引き継がれてきた様式・技術を時代や使い手に合わせて変化させていく「ものづくり」の姿勢が表れています。

※1:ウォールナット=クルミ。独特の風合いや木肌の美しさなどから、世界屈指の銘木に数えられるアメリカンブラックウォールナット。硬く粘りのある材質を持つ一方、軽量で扱いやすく、加工性や塗装性にも優れています。※2:オーク=ナラ。ウイスキーの樽材やインテリアに使用される北米産のホワイトオークが有名。特有の虎斑(とらふ)と呼ばれる模様があり、銀色に輝く光沢が楽しめます。

デザイナー 岩倉 榮利(いわくら えいり)

1948年福島生まれ。1968年郡山デザインセンターを経て、1970年I.C.S(インテリアデザイン科)卒業、同年(株)島崎信デザイン研究所に入所。1975年フリーランス・デザイナーとして独立。

  • 1981年 岩倉榮利デザイナー・ショップ「ROCKSTONE」を渋谷パルコにオープン。
  • 1985年 岩倉榮利造形開発研究所を設立し、「ROCKSTONE」ブランドを中心に、海外デザイナーや建築家シリーズなどプロデュース活動を進める
  • 1994年〜1996年 飛騨高山・名古屋・東京(OZONE)にて「日本の木の椅子展」の企画プロデュース。その後、木工職人合同ブランド「TAKAYAMA WOOD WORKS」を発表。
  • 1999年 博多リバレインに「KURAHAUS(クラハウス)」SHOP、横浜MM21クイーンズタワーA・3FにKURAHAUSショールームをオープンする。
  • 1999年~2000年 日本インテリアデザイナー協会創立40周年記念事業、「日本の生活デザイン展・・・・20世紀のモダニズムを探る」の企画プロデュースを担当。
  • 2001年 「TAKAYAMA・飛騨高山岩倉榮利と夢の仲間たち」展(6月リビングデザインセンターOZONE、9月飛騨高山美術館)にて開催。

モダンデザインと飛騨高山の長い歴史が培った伝統技術の融合。デザイナー岩倉榮利が打ち出したのは、生活道具から空間づくりまでトータルにデザインする新しい「和モダン」。高山ウッドワークス誕生から20年が過ぎましたが、この古くて新しい方向性デザインコンセプトが、私たち日本人の感性に溶け込んできたことは、ほとんどの商品が発売当時から今に至るまで愛し続けられていることに現れています。

TWW工房について

通常の生産ラインとは違う独立した工房で製作した商品にはシリアルナンバープレートが付きます。匠の技を存分に生かし、材料選びから仕上げまで一人の職人が作り上げることで品質の高い家具を生み出すことを目的にしています。

トレドが見た高山ウッドワークス

他にない姿がきれいで、変わっていていいな。最初に目に留まったのはソファでした。早速問い合わせると、返答は「すぐに返事はできない」。それが私たちと高山ウッドワークスのお付き合いの始まりでした。「店に置きたい」一心で何度も問い合わせ、ときには現地まで出向きました。承諾をもらうのには幾ばくかの時間が必要でした。それまでの間、トレドの店舗を高山ウッドワークスが“お忍び”で訪れていたエピソードなどもあり、職人が丹精して作った家具のために売り先まで目を配るその姿勢に、家具メーカーとしての矜持を見た気がします。高山ウッドワークスの商品が当店に入るたび。その価値の大きさを感じます。木の輝きが他とは全く違う。優れた加工や仕上げの前に、素材が違う。木を選ぶことへのこだわりがひしひしと伝わってきます。「使う人の手元で完成する」という観点から仕上げを一歩手前で控えているという逸話も。ここまでこだわる家具メーカーが、他にあるでしょうか。

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お問い合わせ・ショールーム

高山ウッドワークスの商品は当店ショールームで展示しております。ご興味のある方は、是非当店にご来店し、その魅力を実物で是非ご覧ください。また商品についてのご質問、気になる点などございましたらこちらまでご連絡ください。

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