かつてイギリス王の居城だったウィンザー城周辺には、優秀な挽物師や大工などの木工職人が住んでいました。17世紀後半、その“イギリスの匠”たちが、町家や農家で使う実用的な椅子として作り始めた椅子が、現在まで脈々と受け継がれるウィンザーチェアです。当初は地方の地主階級民の邸宅や食堂などで主に使用されていたようですが、やがて旅館やオフィスや中流階級の一般家庭にも浸透し、支持されるようになりました。移民と共にアメリカに渡った後は、簡素でありながら実用的な椅子として大流行しました。
KURA WINDSOR(クラ・ウィンザー)シリーズは、「リ・デザイン」という手法でつくり上げた現代の日本における新しいウィンザー・スタイルです。現代的かつ日本的な(パーツのモジュールやバランス、素材の扱い等の)編集作業を通じて独自の美しさを創り出します。新しい素材と斬新な形を追求しながら、引き継がれてきた様式・技術を時代や使い手に合わせて変化させていく「ものづくり」の姿勢が表れています。