コラム

【絵のある暮らし】横浜美術館『NUDE展』【美術館に行こう】

こんにちは。トレド、山口です。

先日、横浜美術館で開催中の『 ヌード展 』へ行ってきました。

横浜みなとみらい駅から「美術館出口」の階段を上ると正面にドンと構えているのが「横浜美術館」

シンメトリーの重厚感があるけど現代的なカッコイイ建物!

入口ホールも天井が高く、開放的です。

階段のスペースに彫刻作品などが展示されており、とても良い雰囲気の美術館でした。

  

 

さて、今回は英国テート美術館が所蔵するコレクションの展示で、19世紀後半から現代までのヌード表現が

どのように変遷していったのかを鑑賞できる大変見ごたえのある展覧会でした。

 

今回のメインビジュアルになっていたオーギュスト・ロダン 『 接吻 』

総重量3.5トンの大きな作品です。どのように運ばれてきたのか不思議ですが、、、空輸だったそうです。

 

ロダンは生前に等身大を超えるサイズでたったの3体だけ大理石彫刻の 『 接吻 』 を手がけました。

その中で最も美しいとされたのが今回の作品。

使われているのはギリシャ産ペンテリコン大理石、美しく透き通った素材でより白く肌の質感を再現しています。

私が彫刻作品の好きなところは360°全体を上から、下から、あらゆる角度で鑑賞できるところです。

幸い今回は空いている時間帯だったようで、3.4周ぐるぐると回って近目、遠目でじっくりと鑑賞してきました。

 

モチーフになったのはダンテの神曲 『 地獄篇 』 の悲恋(不貞ともいえますが)のエピソード。

女性の腕が強くしなやかに、男性の首にまわされています。体も、もたれかかるようにねじれています。

背中から脚までのやわらかな曲線が女性の魅力を引き立てています。

一方、男性の右腕は女性の太ももに添えてある程度で、左手はその時二人で一緒に読んでいた本を持ったまま。

筋肉質の堅そうな背中からは緊張感、少しの戸惑いと驚きを感じているようです。

感情が高ぶり、衝動的に動いてしまったその瞬間、二人の心の機微を感じる事ができるのではないでしょうか。

 

趣味でデッサン教室に通っている友人は以前

「女性のヌードを描くときはモデルさんが少しむっちりしていた方が描いていて楽しい」と言っていました。

私達の一番身近にある美しいと感じる曲線は、人間のヌードなのかもしれません。

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