コラム

書とインテリア、漂う空気を楽しむ生活

こんにちは、トレド 山口です。

トレドでは『アートのある暮らし』をご提案をしております。

新潟絵屋様とのコラボ企画。

『アートは身近なもの、生活に取り入れて日々楽しむ』をコンセプトとして

アートを取り入れた生活をイメージできるよう、インテリアと同じ空間に展示し、販売しております。

 

今回、店内の展示作品を一新いたしました。

9月に新潟絵屋さんで展示された書道家、華雪 『文学』 展の作品をいくつかお借りしています。

小説 詩 俳句 などからインスピレーションを受けた一文字を『一字書』として書いた書の作品たちです。

   

  

華雪さんの作品は文字のようで文字でない。

しばらく見ていると不思議にぼんやりとしてきて「書」ではなく「絵」が描かれているように見えてくるのです。

たとえば、山房春事 『庭樹不知人去尽 春来還発旧時花』

(その庭園の樹木は、人が過ぎ去ってしまったことをまだ知らない

今年も春が来る。誰もいなくなった庭園で、昔のままの花が咲いている)

ぽってりとした「花」の一字。濃淡をつけた墨で書かれた一文字は一筆がひとひらの花びら、

そして全体が一輪の花のように見えてきます。

漢詩の情景と合わせてみると、人知れず毎年花をつける健気さ、

また、家人が居なくなったわびしさなど、様々な想いがわいてくるようです。

大きな作品ではありませんし、作品自体が場を主張してくる訳ではありません。

静謐さ、しっとりとした柔らかさ、優しさが漂う雰囲気の作品と感じます。

 

「書」は掛け軸など、昔から日本の住宅にははなじみがあるものでした。

今回ご紹介の作品の印象はライト、品格、現代的、モダン。。。

具象、抽象どちらにも寄りすぎず、分かりやすい作品であるように思います。

インテリアとしてお部屋に飾った際には空間をより上質なものへと演出してくれるでしょう。

 

トレドではこれからも生活の中でふと息づかいを感じるような、生活の一部としてとけむような

そんな作品をご紹介していきたいと考えています。

 

華雪(かせつ)
1975年京都府生まれ。立命館大学文学部哲学科心理学専攻修了、東京都在住。幼い頃に漢文学者・白川静の漢字字典に触れたことで漢字のなりたちや意味に興味を持ち、以来、文字の表現の可能性を探求することを主題に、国内外で展示やワークショップを行っている。刊行物に『石の遊び』(平凡社、2003)、『書の棲処』(赤々舎、2006)、『ATO 跡』(between the books、2009)など。作家活動の他に、『コレクション 戦争×文学』(集英社)など書籍の題字なども手がける。

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